2023.08.25 |移住者特集②_BUBUKA橋本ご夫妻

歩むようにちょっとずつ、
自分たちの夢を叶えた店。


橋本剛(はしもとつよし)

Tsuyoshi Hashimoto

県内の複数の和食店で修業の後、松山市内に居酒屋を開業。たくさんの常連さんに支えられ約10年間営業した後、海を見渡せる絶景と豊かな食材に魅せられて大三島に移住。

橋本いづみ(はしもといづみ)

Izumi Hashimoto

松山市内のカフェ勤務から結婚を機に居酒屋の経営に。いつかは…と思い描いていた理想的な物件に出会い大三島に移住。やりたかった自家製酵母のパン作りも本格的に始動。




2023年、宝島社『田舎暮らしの本』で、「住みたい田舎ベストランキング」(人口10万人以上20万人未満のまち)で全部門1位に輝いた今治。そこでIMABARI LIFEでは、今治の移住者への取材を連載しています。第二弾は、大三島でレストラン「BUBUKA」を営む橋本剛・いづみご夫妻のところへ伺いました。

不動産屋には「ないよ」と言われた場所

おふたりは、いつ今治にいらしたんですか?
橋本剛さん(以下、敬称略):5年前ですね。もともと松山で居酒屋割烹みたいな感じの飲食店をやっていたのですが、10年目になって、今後のことをいろいろ考えて。夕方5時から12時までの営業で、夜中の1時〜2時に家に帰る、という生活をしていたのですが、そのとき40歳を過ぎていて、今後10年そういう昼夜逆転の生活を続けていくのもしんどいし、そもそも私たちは、どちらかと言えば、自然の豊かなところが好きなタイプだったので、それを機会に別のところを探してみようかと物件巡りを始めました。


:休みのたびに物件巡りをして、2人とも水のある景色が好きで、渓谷や海も好きだし、そういう場所を中心に愛媛近郊を巡ってみて、この大三島に辿り着きました。しまなみ海道の島の中でも、ちょっと空気感が違うというか、神の島というのもあってゆったりしていて。それでここの地元の不動産屋さんに、「なるべく生活感のない、海が見渡せるような場所で」ってお願いしていたんですけど、最初に「ないよ」って言われて(笑)。
まず景色のいい非日常の味わえる場所っていうのは、もう別荘地として、かなりいろんな人が求めているんですね。さらに、そういうところは生活に不便なので、宅地がほぼなくて、あってもリノベーションして宿になっていたり、首都圏の方の別荘地になっていたりして。そんな理由で、物件自体がほぼないから期待はしないでくれって言われていたんですけれど、あるときここの物件が出て。持ち主は、もともと縫製工場をされていた方で、その工場だった敷地に住宅を建てられて1人で住まわれていたのですが、だいぶ高齢の方で、これだけの建物に1人で住むのも難しくなってきたので不動産屋さんに相談をされたらしいんですね。それで不動産屋さんが、私たちの顔がすぐ思い浮かんだらしくて、「あの人たち絶対に喜ぶよ」ってその場で電話してくれて。


すごいご縁ですね、それは。
:本当に縁一つですね。電話があってすぐ飛んで来て、景色を見て「これはなかなかないぞ」っていう感じで。
掘り出し物だったんですね。その間、どのぐらい探したんですか?
橋本いづみさん(以下、敬称略):1年ぐらいかな。


:週1日の休みは、ほぼ毎週どこかに出かけて探していました。探しているうちに「これは難しい」というのが、だいぶわかってきていたんですね。あったとしてもやっぱり雑木林を全部開拓して平地にしないといけなかったりすると資金力が足りず、中古物件をちょっと改装するだけでいけそうな物件というと本当になくて。だからここは本当に掘り出し物でしたね。

同級生が支えてくれた縁

:ただ、いろいろ調べていくと、やっぱりかなりハードルが高くて。というのは、こういう場所は、まず下水が通っていないんです。大三島も集落地には集合浄化槽といって、住宅全部の下水を集めて集落の大きい浄化施設で浄化する設備があるのですが、これだけ離れているとその1軒のためにっていうほどないので、まず浄化槽を設置しないといけないんですね。だいたい10人槽当たり100万円ぐらいのお金がかかるんですが、飲食店の浄化槽はものすごく規模が大きくて、いまうちが入れているのが50人槽という50人分の処理ができるような浄化槽なんです。
つまり500万…。
:はい。下水が通っていない地域に移住者用の補助金はありますが、飲食とかビジネス用の補助というのは一切なくて。それもあって、こういう場所で飲食店を開きにくいというのもあるんですね。下水施設だけで500万円、さらに建物を建て、改装をしてとなると、ちょっと資金的に厳しいなと思っていたのですが…そこで私の同級生が助けてくれて。
というと?
:その人の経営する会社が、保養地としてここを購入して、そこへうちが賃貸で入れる形になったのです。後々、会社の施設として使えるし、こっちもこっちで買っていただけるというのでお互い助かるし。
ゆくゆくは保養地として返さなきゃいけないということですか?
:というのは名目で、向こうとしては、もう同級生だし、自分が社長をしている間は、賃料さえきちんと払ってくれたらずっと使わせてくれる、ぐらいの感じでいてくれていますね。会社で何か使うということもほぼないし。すごくありがたく思っています。
きっと橋本さんのお店を応援したかったんですね。
いづみ:もう好きなようにさせてもらっています。
:浄化槽と物件をあちらが持ってくださって、改装は私たちが。浄化施設も含めて賃料ですが、でも、それでも格安です。

改装は、ほぼ自分たちでやりました

かなり改装はされたんですか?
:改装はお金をかけたくないので、かなりの部分は自分たちでやりました。昔の建物なので、2階は和室で、相当天井も低かったのですが、開放感を出すために天井を落としたり、地面の床を張ってもらうのだけ業者さんにしてもらって「あとは自分でします」と。

和室から改装した2階の部屋



それが味わいになっていますね。お2人でされたんですか?
:はい。テーブルとか、1階にあるカウンターテーブルとか、レジ台とか、だいたい造ったよな?
いづみ:うん。

1階のカウンターテーブルからも海が見える



:いろんなものを作るのが結構好きで。15年くらい前は、チェンソーアートをやっていて、入り口にあったクマも自分で彫ったものなんですけど。


ここ(2階)の窓も造ったんですか?
いづみ:前の窓だけは造ったんですよ。真ん中に壁があって視界が狭かったので、壁を抜いてもらって、それに合わせたガラス戸を入れてもらいました。ただ他のところは、もともとの窓を生かしています。
昔のアルミサッシだったので、塗料を塗って、それっぽい感じに。
:店の前の道も、スギ林になっていて、橋が半分見えないぐらい視界を遮られていたのですが、自力で切り開きました。地元のすぐ近所に地権者の方がいらっしゃって「切るなら勝手に切っていいよ」って言われたので、小型のチェーンソーで毎日1日何本っていうノルマを決めてガンガン倒して。

大きな窓から見える景色は、剛さんが切り開いたもの

無理しないで、ちょっとずつ歩むように

もともとは奥さまは別のお店で働かれていたんですね。
いづみ:個人経営のお店に入らせてもらって、キッチンやったり、ホールやったり、という感じで働いていました。結婚して1年後に、彼がやっていた和食店に私が入ったのですが、私がいた店とは方向性が違っていたので、ちょっとしたコース料理の最後のデザートを出すくらいでした。その後、だんだん週末にパンを焼いて出したり、ちょっとずつやりたいことをやるようになっていきましたが、ベースはやっぱり彼のお店っていう感じですね。
いまは、ホールもキッチンもやられてますし、もともとやっていたことが活きていますよね。
いづみ:そうですね。だいぶあの頃の経験が活きてるとは思いますね。家族経営でお店をまわす感じも、そこで経験させてもらったので。
なるほど。それで実際に始められて、最初はどういうふうに集客されたんですか?
:してないです(笑)。
いづみ:してない(笑)。
:まず、自分たちの中では、この非日常空間自体の価値が、かなりあると思っていて。例えばコーヒー1杯飲むためにとか、おいしいうどんを食べるために、わざわざ何時間もかけて行ったりするじゃないですか。やっぱりこの空間で食事するというところに、そこそこ価値があると思っていて。加えて、ちょっとずつじゃないと僕たちも対応もできないので、自分たちのやれる範囲でちょっとずつしていったほうがいいなと思ったのです。最初にすごく宣伝してたくさん来てもらっても、僕たちが全然対応できなくて、「わざわざ行ったのに残念だね」と思われることの損失のほうが大きいと思ったので。
いづみ:提供するものも出し方も、前の居酒屋系のお店とは全く変わるので、その辺も手探りでやっていました。
:ちなみに、屋号の「BUBUKA」は、実は嫁さんが夢で見た名前です(笑)。
いづみ:見たというか降りてきたというか(笑)。
:いざお店をやろうというときに、店の名前ってけっこう重要じゃないですか。考え始めると、なかなか思いつかなくて、いろんな辞書を調べて、格好いい言葉を探すと、変に堅苦しくなったりして。松山のときもそうなんですけど、何カ月も「ピンとくるのないなあ」と言っていたら、朝「ねえねえちょっと、夢で思い付いたんだけどブブカってどう?」って言われて。「ブブカ……うーん」(笑)。
意味は全くないんですか?
いづみ:意味はなかったんですけど、そこから考えて。
:たまに漢字表記でも出すときがあって、そのときは「歩歩海」なんですね。
たしかにそう書いてありましたね。
:「歩く歩く海」で「歩歩海」にしたら面白いかなと思って。さっき言ったように、この辺りでも少し別の空気感が流れているこの島で、ちょっとずつ変わる海の景色と、自分たちがやりたいお店をちょっとずつ作っていくというのがリンクして「なかなかいいんじゃない?」と。
なるほど。歩むように進んでいくという意味ですね。
:悪い意味で言えば、進み方がすごく遅い(笑)。
いづみ:そう。ずっと黒板だけでメニュー出していたり。
:みなさん、上を向いてメニューを決めていたのですが、「もっとパっと見られるようなメニューがあったらいいんじゃない?」と、つい何カ月前に思いついて、5年目にしてやっとレジのところにメニューを置くようになりました。まあ、合言葉はBUBUKAだからいいんじゃないみたいな(笑)。自分たちのできる範囲で、無理しないように、ちょっとずつできることをしていこうかと。


貯えがあったということですか?
:全くないです。
いづみ:全くない(笑)。
それでやっていけるものですか?
:まあ助けてもらいながら。
いづみ:借り入れをしているので、頑張って売り上げは上げていかないといけないかなという状況ではありますけど。

コロナ禍でも途絶えなかった客足

今回、今治タオル工業組合の方から「ここおいしいですよ」と教えていただいたくらいだったので、きっとすごく人気店なんだなと思いました。

BUBUKAの日替わり定食



:お客様は週末や行楽シーズンに集中してはいますね。最初の年は、地元の方がちょっとした歓送迎とかお別れ会とかに利用していただいたり、そういうのもあったんですけれど、コロナ中は、やっぱりこういう場所なので、そういう地元の集まりが一切なくなっていましたね。
そうですよね。おそらく開店されてから割とすぐコロナになって、その間どうされていたんだろうと思ったんですけど。
:ちょうど来た1年目が、西日本豪雨で、道路が土砂崩れになって。
いづみ:半日くらいこの辺の集落が孤立しました。その翌年は、すぐコロナになって。一番ピークのときは、テイクアウトと、あとは完全に予約制のミニコースみたいな感じでやっていました。
:うちは席も密集してないですし、やっぱりコロナのときは、みなさん、ちょっとどこか出かけたいという気持ちもあって、ここはまあプチ旅行みたいな感じにもなれるというので、案外お客さんはいらしていました。地元の集まりなどがなくなった分、「オードブル作って」とか「お弁当作って」という注文もあったりしました。なので、コロナ禍は全く痛手なかったとは言えないですが、他の飲食店の方の話に比べると、思ったほどの影響はなかったですね。
松山時代のお客さんもいらしてたんですかね?
:たまに来ていただけるんです。すごくありがたくて。移転のことをタイミングが合わなくてお伝えできていなかったお客さんも、僕たちの後に入ったお店から聞いて、来ていただいたりして。「大将、やめたのなら言ってよ」とか(笑)。何カ月に1回は、松山のときのお客さまがいらしていますね。
もともと人気店だったんですね。


:常連さんに支えてもらっていた感じはあります。
テイクアウトを出したときも、かなり需要はあったんですか?
:そうですね。いまでも結構ありますけどね。オードブルとかお弁当とか。
それはこの近隣の方が買っていらっしゃるんですか?
:はい。近隣と言っても、もう島の至るところです。
この島全体でも結構広いですよね? 車でわざわざ来ていらっしゃるんでしょうか。自転車のお客さんも多いですか?
:多いです。ここ最近またちょっとやっぱり増えてきましたね。

サイクリストが立ち寄るオアシスにも

表に「サイクルオアシス」ののぼりがありましたが。
:愛媛県がサイクリストをサポートするために作った制度です。例えば、ちょっとトイレに行きたいとか水を補給する場所が欲しいというときに立ち寄れる場所として。うちは県の方に「サイクルオアシスになりませんか?」と言われまして。うちの前がサイクルコースになっているのですが、外周コースでちょっと起伏が激しいし、距離が長いので、エキスパート向けなんです。辺りに家も何もないので、サイクリストの方も、ちょっと水筒の水がなくなったとか、トイレに行きたいときに、うちが便利なので。サイクルオアシスに登録すると、サイクルスタンドと空気入れと基本修理工具セットを、愛媛県が支給してくれるんですね。


それでここを目指してくる方々が、お客さんになったりもされるんですよね。
:はい。つい先週も、28名サイクリストで貸し切り営業しました。
えーっ!
:もう28名になると、座敷、カウンター、縁側、すべてのテーブルを使わないと席が取れないので。

1階の縁側も、客席として使用



まずお2人で28名分の料理を作らないといけないんですよね?
:でも、まあ普段も週末はランチを30人前か40人前やっているので。
そんなにですか?
:私が日替わりのランチでそれぐらい作って、嫁さんのBUBUKAサンドのセットが10人前ぐらいは作るので、週末ランチで50人前ぐらいの計算では作っているので。
なるほど。思った以上に人気店ですね。1階から2階に運ぶのが大変そうですね。
:5年目を迎えてちょっと年も取ってきたので。嫁さんはあのお盆を片手で持ちますからね(笑)。
いづみ:両手で2つ。
両手で!?
いづみ:2往復するよりも、やっぱり1回で行くことを考えて。
あの階段を? ちょっと怖くないですか?
:トントンと行きますね。10人前だったら5往復をダダダダっとダッシュで。つまずいたらもうアウトなので。
つまずいたらアウトですよね。
:体がキツくなった時点でやり方を考えようかと思っていますが、いまのところは大丈夫なので(笑)。
プロフェッショナルだからできる感じですね。
:でも、それで私もちょっとぎっくり腰をやったりして、嫁さんも手がちょっと痛い。
いづみ:常にここ(腕)が、だいぶ。最近ちょっと鍼灸院に行ったら「素晴らしい腕してますね」って言われて(笑)。


いづみ:今治って中華料理屋が多いんですけど、今治市の鍼灸院に行ったら、「その辺の中華屋さんのお鍋を振ってる人よりもすごいですね」とか言われます(笑)。
誰か他に人を入れようとは考えないですか?
:そこが歩く歩く海じゃないですけど、人を雇うと、その分の経費がいるので。そうすると売上をワンランク上げないといけないですね。例えば50食作っていたのを、80食にしてどんどんまわすようなお店にしないといけなくなる。厨房サポートを入れて、ホールスタッフを入れて…。収入は増えるけれど、自分たちの生活リズムが変わっていく。どんどんビジネス寄りになっていってしまう。自分たちの理想の生き方とか空いてる時間の過ごし方とか、うまくバランスが取れる状態が、いまちょうどいい感じなのです。まあ、ちょっと体力的には、少ししんどいですけど。
なるほど。できる範囲でマイペースでやっていきたいっていうことですね。

便利と不便の中間くらいだから、移住しやすい

今回取材に伺ったのは、今治が宝島社の雑誌で「住みたい田舎1位」になったことがきっかけで、今治の魅力を移住者にお聞きしたいと思っているのですが。今治というか大三島ですかね。ここの1番の魅力はどういうところでしょう? 先ほど剛さんにはだいぶお聞きしましたが、いづみさんはいかがですか?
いづみ:本当に島の雰囲気自体もそうですし、人もすごく温かい感じがあるというか、移住者に対する対応も慣れていらっしゃるし、すごく溶け込みやすかったですね。移住者の方同士のつながりもできたりとかもして。
そうなんですね。
いづみ:最初に来たとき、私たちからはあえてお店の宣伝は大々的にはしていないんですけど、ちょうど、地ビールのお店や、大三島で初めてできたパン屋さんが、同じ年にオープンしたんです。その相乗効果で、愛媛新聞に取り上げていただいたり、いろんな地元紙が大三島をピックアップして、移住の方たちが新しいお店をオープンしますという特集を組んでくださったので、それがいい宣伝にはなったとは思います。
たまたま同じタイミングに移住して開業された方々がいたっていうことですね?
いづみ:もともと「地域おこし協力隊」で入って来ていた方が、その任期を終えて、そのままこの島で開業したり、いつかここで開業したいと、物件をずっと探していた方が、たまたま同じタイミングになったりとか、いい感じでタイミングが合って。
今回、「みんなのワイナリー」の川田さんご夫妻の取材もしたんですけど、あのお2人とも親しいですか?


いづみ:そうですね。ブドウの収穫のときのお弁当を私たちが作らせていただいたりしています。 ワイナリー関係の人たちがいらっしゃったときにうちにお食事に皆さんで来てくださったり。
それはとても楽しそうですね。


お住まいはこの近くなんですか?
いづみ:ここが自宅兼になりますね。裏手が結構広いスペースなので、いろんな備品とかを置いたり自分たちの衣類を置くスペースで、あとあちら側のSTAFF ONLYの扉の向こう側が、自分たちの生活スペースにはなっていますね。全部を店舗スペースにしてしまうと、また浄化槽も、もう1ランク上がってしまうという問題もあって、一応区切って「お店スペースはここです」という感じでやっているので。

一階には広い和室スペースも



このあたり、住むには不便だったりしないですか?
いづみ:何もないですね(笑)。彼はもともと松山なんですけど、私は愛媛の南のほうの海沿いの町出身で、田舎育ちなんですね。逆に松山は、私としては都会だったので、馴染みのある場所に戻って来たかなという。
じゃあ近くにコンビニがないとか全然そんなの不便に思わないんですね。
いづみ:そうですね(笑)。不便は不便なんですけど、大きな問題ではないぐらい。だから姉は「えーっ!」って言ってますね。私がまたこういう場所に移り住むことに対して「なんでなの?」みたいな。
:便利なところと不便なところの中間ぐらいだから、移住しやすいと思います。
というと?
:まず橋がつながってるじゃないですか。福山まで1時間ちょっとぐらい。松山に行くには1時間半ぐらいかかりますけど、今治だと40分ぐらい。松山から広島には小1時間で行ける。案外ちょっと時間をかけると便利なところも行けるんです。小豆島とかそういうところみたいに、フェリーじゃないと行けないわけではないので。島自体にはコンビニとかもなかなかないので、週に一度はどちらかに出て買いだめして、というスタイルで5年やってきています。足りない分は、地元の商店に仕入れてもらったりという感じが多いですかね。農家さんが多いので、野菜などは不便しないし、今治の魚屋さんから船便で魚だけ市場で買ったやつを送ってもらったり。だからそういう一手間はかかるんですけど、思ったほど不便じゃない。


この先も、ずっとここにいたいなっていう感じですか?
:そうですね。
いづみ:うん。
この労働体系が大変だけど、それさえクリアできればいつまででもいたいっていう感じですか?
:そうですね。
なんの迷いもなく?
いづみ:(笑)
:だから、やっぱりそれこそ本当に「歩く歩く」でやっていきたいんですね。例えば自分たちがもうこれ以上はしんどいなと思ったときに、人を雇ってしまっていたら、マイナスに戻すことはなかなか難しいですし。一定の借り入れが終わったらだいぶ固定費も下がるし、いまみたいにランチ50人前とかもしんどくなってきたら予約だけのランチにしようかとか、自分たちの生活スタイルとか年齢とか、いろんなものに合わせてちょっとずつ変えていけるようにはしていたいですね。
すてきな考え方ですね。また改めて食べに伺いたいと思います。ありがとうございました。
BUBUKA公式ホームページ
https://bubuka-style.com

IMABARI LIFE移住者特集リンク
https://www.imabaritowel.jp/imabari_life/interview/imabari_life/interview6111

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